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同人で焼印:手作り萃香升

紅楼夢で出した萃香升の製作過程を公開します。
その前にちょっと同人での升のこととか。

同人の升だとアイマスのやつが有名ですが、型の製作過程とかが載ってないので、型は業者委託で、焼くのだけ自分でやってるっぽい感じ。
しゃもじとかにも焼いていたので、完全に委託ってことは無いだろうし。
リューターで削ったにしては細かすぎるので、CNCなのは間違いないだろうけど、まさか個人でCNC持ってるとは思えないしなぁ…
仕事で使ってるとかはあるかもしれないけど。
東方でも升を出していた所があって、紅楼夢でも間違えられましたが、あっちは完全に業者委託です。
まぁそんなわけで、完全に自力での製作は初?w
やっぱ同人でやるからには出来ることなら自力でやるってのがモットーだったり。
業者に委託しようにも金ありませんけどねw
CNCには負けますが、それでも限界まで細かく作ったつもりです。
それでは製作の過程をどうぞ。

あ、その前に基本的なことから。
升の絵は焼印で焼いて作ってます。
なので、焼印を作って、それを熱し、そこに升を押し付けることによって絵柄を出しています。
今回はその焼印の作り方の紹介です。
焼印は真鍮で出来たハンコのような物です。
真鍮はリューターで削って造ります。


ファイル 460-1.jpg
まず10mm厚くらいの真鍮板を手に入れます。
サイズは対象に合わせて適当に。
板の厚さが薄いと熱を保持しにくいので、やりにくくなります。
そこに彫りたくない場所にカッティングシートでマスキングを施します。
これによって、多少リューターが滑ったくらいでは真鍮の表面に傷は付きません。
カッティングシートの絵柄は反転するので、気をつけるように。
今回はカッティングシートが剥がれてしまっても削る場所がわかるようにサンドブラストを掛けて表面を荒らしておきました。


ファイル 460-2.jpg
カッティングシートの部分を削らないように慎重にリューターで削りまくり。
最初は慣れが必要なのでミスっても修正の効く外側からやるといいと思います。
あと削る時に進む方向も重要なので、ここらへんはやってみて色々試してみてください。


ファイル 460-3.jpg
ひたすら削りまくる。
細い場所は0.5mmのドリルで削ってます。
0.3mmもありますが、おそらく焼印なのでほとんど差は出ないと思います。
0.5mmのドリルはちょっと無理をしただけで簡単に折れます…
今回の升を作るので3本は折りました…
だけど、リューターで削るよりは遥かに深く簡単に削れます。
位置もずれ難くていい感じです。
なるべくドリルを多様した方が楽に綺麗に出来ます。
外側の広い部分は普通の大きなハンドグラインダーで一気に削りました。
いらない部分は切っちゃってもいいかもしれません。


ファイル 460-4.jpg
焼印完成♪
彫ってある深さは3mm程度です。
これくらいの深さだと、微妙に焼きたい部分以外も熱で変色してしまいますが、最後にサンドペーパーをかけてやれば綺麗になります。
右にあるのが使ったビットです。
もう何種類かありましたが折れました…
やっぱり高いビットの方が強くてよく削れます。
100均にもありますが、かなり弱いです。
まぁ使い捨てにするにはいいと思いますけど。


ファイル 460-5.jpg
実際に焼いてみた図。
升から飛び出ている酒まで綺麗に表現できました♪
焼き方は、真鍮板をガスコンロで熱しておいて、そこに升を押し付けて焼いています。
押し付ける時間とか強さは経験で。
真鍮はかなりの熱量を蓄えていられるので、3つくらいは一気に焼くことが出来ます。
升に焼印を押し付けた時に檜のいい匂いが部屋に立ち込めますw
真鍮板の熱によって、彫れている部分も多少は焼けてしまいますけど、ペーパーを掛けてやれば綺麗になります。

本当の焼印は出力な大きな半田ゴテに真鍮板を固定して、焼印を対象物に押し付けて焼きます。
ガスコンロでも十分に焼けますし、それほど大変でもないので半田ゴテに付ける必要はそれほど無いと思います。
まぁ大量生産するとなると半田ゴテ使った方が楽なんでしょうけど。
業者で焼印を作ってもらうと、やはり半田ゴテに取り付けるように加工された物が渡されます。
真鍮はそこらへんの工場でも加工してくれるので、真鍮柱から切り出す時に、半田ゴテのシャンク部分を作ってもらうのも手だと思います。
後からシャンク部分を圧入したり、どうにか固定する方向もあるかと思いますが、今回くらいのサイズになると重量もあるので厳しいかと思います。
ネットで色々調べていたら、うまくやると溶接も出来るらしいので、それもいいかも。
ロウ付けだと熱で溶けてしまうので駄目です。


作り方はこんな感じです。
真鍮は比較的やわらかい金属とはいえ、手動で削るのは尋常じゃない苦労ですw
それでもやってみたいって人は是非やってみてください。
今回これを作るのに、1日3時間くらい作業して1週間程度かかりました。
自分はエンジンのポート加工なんかで普段からリューターをある程度使っているからこのくらいの時間で済んだのかもしれませんけど、リューターを初めて使う人とかは相当気合入れてやらないと無理だと思います。
リューターのビットも何本も折ってますし、同人のグッズとして採算が合うかと言うと絶望的ですけどw
まぁ唯一の救いとしては型さえあれば焼く時間さえあれば量産が可能ってことです。
おそらく今回の型で元を取ろうとしたら相当な数作らないと無理ですけどw
完全に自分がほしくて作った焼印だから後悔なんてまったくしてませんけど☆
升以外にもハムとか肉とかにも焼くことが出来るので、いろいろ焼いてみると楽しいです。


まぁCNC最強なんですけどねw
あーオリジナルマインドのmini-CNC BLACK1520ほしいなぁw
今年の木崎湖で開催されたみずほプロジェクトで会った人がこのCNC買ってて本当にうらやましかった。
ちょっと今回また色々調べていたら、その会った人がニコニコでCNCを使ったグッズの動画を何個も上げていて噴いたw
近場にこういう人がいたら加工やってもらうんだけどなぁ。
Gコードまで全部こっちで作って加工だけやってもらう感じで。
…だ、誰か仕事の合間とかにやってもらえません?w

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